せっかく買った観葉植物。水をこまめにあげ、日当たりのよい場所に置いていたのに、数ヵ月で枯れてしまった。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
初心者でも育てやすい観葉植物だと聞いていたのに、枯れてしまった原因が分からない。そんな方のために、本記事では観葉植物が枯れてしまう主な原因と、失敗しない育て方のポイントをご紹介します。
室内に観葉植物のある暮らしに憧れている方は、参考にしてみてください。
①日当たり
観葉植物は基本的に日光に当てる必要があるため、日照不足になると光合成が出来ずに枯れてしまうことになります。しかし、観葉植物の種類によっては、強い日差し・直射日光に弱い半日陰を好む植物もあります。
こうした植物に夏の強い日差しを浴びせ続けてしまうと、植物を弱らせてしまうことになります。よかれと思って日当たりのよい場所に置いていたことが、逆に枯らしてしまう原因だったということも考えられます。
観葉植物を買う際は、その植物がどういった環境を好むのかを把握しかなくてはなりません。その特性に合わせて、観葉植物を置く場所を考えましょう。
②温度
観葉植物が枯れてしまう原因として温度も関係があります。種類にもよりますが基本的に暖かい環境を好むため、寒さに弱いことが多いです。冬の寒さで枯れてしまうのを避けるためには、その植物の耐寒温度以下の環境にしないことが大切になります。
ただし、寒さ対策のためにとエアコンの近くに置いてしまうのはよくありません。直接温風を当てると、葉が変色したり、乾燥によって枯れてしまったりする可能性があるため注意が必要です。
寒さ対策のためにビニールで覆うなどの手間をかけたくない場合は、比較的寒さに強いとされる観葉植物を選ぶとよいでしょう。
③水やり
水やりの回数が少なかったり、必要以上に水やりをし過ぎてしまったりすることも、観葉植物を枯らす原因となります。
適切な水やりの回数や、あたえる水の量は、植物ごとに異なってきますが、基本的には土が乾いて白っぽい状態になってきたときが、水やりのタイミングとなります。
与える水の量は、鉢の底から水が染み出てくるぐらいが目安です。コップなどで一ヵ所から水を与えるのではなく、土全体に水が行き渡るように水やりをするようにしましょう。
④風通し
観葉植物を育てるうえで、風通しをよくすることも大切になります。植物は基本的に風通しのよい環境を好むもの。空気が通らず、湿度の高い状態になってしまうと、葉落ちしやすくなるなど、元気がなくなってしまいます。また害虫が発生する原因にもなり得ます。
特に夏場は風通しが悪いと、湿度、室温ともに上がってしまい、観葉植物が枯れやすくなってしまうので気をつけなくてはなりません。ただし直接エアコンの風を当てるのはNGです。
⑤根詰まり
鉢のなかが根でいっぱいになってしまうことを根詰まりと言います。この根詰まりが起きると、根が水や栄養を吸収できなくなってしまうため枯れる原因となります。
下記のような状態になったら、根詰まりが起こっている可能性があります。
・鉢の底面の穴から根が出てきた
・水やりをすると、すぐに鉢底から水が流れ出る
・同じ鉢で2年以上育てている
・何も環境を変えていないのに、突然元気がなくなってきた
根詰まりを解消するには、植え替えが必要になります。
絡まった根をほぐし、長くなった根をカットし、今植えている鉢よりも大きな鉢に植え替えるようにしましょう。
⑥根腐れ
水やりのし過ぎや、土の水はけが悪いことで、根が腐ってしまうことを根腐れと言います。受け皿に水が溜まったままになってしまっていると、根腐れが起こりやすくなります。
室内に置いている観葉植物であれば、多くの場合、水の与えすぎが原因です。土が乾いてきたタイミングで、適切な量の水を与えることを心掛けるようにしましょう。
⑦害虫
観葉植物が枯れてしまう原因として、病害虫の被害も考えられます。ここでは観葉植物に発生しやすい病害虫についてご紹介します。
・コナカイガラムシ
観葉植物に白い綿のようのようなものが付着していたり、葉がべたついていたりしたら、コナカイガラムシが寄生している可能性があります。
窓を開けて換気するときに部屋に入り込むので、室内で育てていても被害に遭うことのある害虫です。
繁殖が非常に早いうえ、周囲に植物があれば、そちらまで広がっていきます。大量に繁殖してしまうと観葉植物が枯れる原因となります。
またコナカイガラムシの排泄物はベタベタしているので、他の病原菌がつきやすくなるほか、すす病などの病気も併発しやすくなるため注意しましょう。
・ハダニ
体長0.3~0.5mmの非常に小さな虫で、どんな植物でも被害を受ける可能性のある害虫です。非常に小さいため、群れになるまで発見しにくく、気付いたときにはハダニが増殖していることも少なくありません。
ハダニは葉の裏などに付き栄養を吸収します。その結果、徐々に葉緑素が抜け、葉が白っぽくなっていきます。ハダニは繁殖のスピードが非常に早いため、あっという間に全体に広がり、観葉植物を弱らせ、枯らしてしまうため注意が必要です。
こうした害虫の被害を初期の段階で気が付くためには、葉水を与える際に、葉の裏まで確認するなど、日ごろから小まめに植物の状態を観察することが大切になります。
水のやり過ぎに注意
植物に水は不可欠ですが、水の与えすぎは根腐れを起こす原因にもなります。観葉植物の種類によっても異なりますが、基本的には土が砂っぽく乾いた状態になったら、鉢の底から水が出てくるぐらい十分な量の水やりをするようにしましょう。
水やりの頻度については、観葉植物の種類や環境によって左右されますが、毎日水やりをする必要はありません。
頻繁に置き場所を変えない
観葉植物の置き場所を頻繁に変えるのもよくありません。自然の植物は根を張った場所から動かないものになるので、頻繁に環境が変わるとストレスになってしまいます。
特に室内であれば、日当たり、風通しのよいところに置いたら、そこを定位置と決めて動かさないようにしましょう。
適切な時期に、定期的に植え替える
観葉植物は生きものですから成長するものです。植え替えをしないと根詰まりを起こしてしまったり、栄養が不足したりしてしまうので、観葉植物は基本的に2~3年に一度、植え替えが必要になります。その際は元の鉢よりも一回り大きいものに植え替えるようにしましょう。
一般的に植え替え時期は、生育期の5月~9月がよいとされています。植え替えに適さない冬などに行ってしまうと、観葉植物が弱ったり、枯れてしまったりすることもあるので注意が必要です。
日照や水を補う
水やりを長期間忘れていたことで枯れてしまったような場合は、とにかく水を与えて、日の当たるところに置いてみましょう。
一度枯れて変色してしまった葉が元気になることはありませんが、根や茎が生きていれば、新しく芽が出てくる可能性があります。
腐った根を切り落として植え替える
根腐れが原因で枯れてしまった場合は、腐った根を全て取り除き、新しい土に植え替えることで復活する可能性があります。
前述したように、植え替えには適切な時期がありますが、根腐れが発覚した際は、たとえ植え替えに適さない時期だとしても、すぐに対処するようにしましょう。
挿し木を試す
観葉植物が枯れてしまっても、葉や茎に元気な部分があれば、茎挿しや葉挿しで、新しい株を作れる可能性があります。挿し木のやり方は、観葉植物の種類によって異なりますので、適した方法を調べて試すようにしてみてください。
直射日光を当てずに様子を見る
観葉植物は強い日差しが原因で枯れてしまうこともあるので、その可能性が疑われる場合は、枯れてしまった葉を落として、いったん日の当たらない場所へ移動させて様子を見てみましょう。根が生きていれば、復活できる可能性があります。